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続×3:流浪の行く末(末吉救出作戦)

初めての方は、流浪の行く末 〜 続:流浪の行く末続々:流浪の行く末からお読みください。

翌日、末吉は……
まだ、地下駐車場で独りぼっちでした。

虎ニイと焦ネエは、隣家の庭で無邪気にじゃれあったり、のんびり眠ってしています。
末吉は、また隣家側の塀へ向かって悲痛な泣き声を上げながら、母猫の救出を待ちます。
こころなしか、その鳴き声も弱々しくなっているように思えます。どうにもしてやれない悔しさで、悲しくなってしまいます。末吉の鳴き声が聞こえるたびに、ベランダに出ては様子を見ていました。
やがて、母猫が末吉のところにやってきました。駆け寄る末吉、甘えまくってすり寄る末吉。
そして母猫からたっぷりとお乳をもらいました。ああ、でもそれは一時の母と子の時間なのです。

お乳をあげ終わった母猫は、すっと立ち上がると、またピョンピョンと塀を飛び越えて、虎ニイと焦ネエのいる庭へ行ってしまいます。こっちの子どもたちにも、お乳をあげなくてはなりません。
末吉は、必死に鳴いて母を止めますが、母猫はそれを振り切って、行ってしまいました。
末吉は、また独りぽっちになってしまいました。
コンクリートの駐車場に、ポツンとうずくまる小さな茶色のかたまり、末吉。

「かあさんは、このまま末吉をここで別に育てるつもりなのか?」
ノラ暮しの猫たちには、ノラなりのルールがあるのかもしれません。そこには、ヒトが立ち入ってはイケナイような気もします。それにしても、末吉はどうしたらいいのでしょう? なにかしてあげられないものか? ペット不可のわたしの部屋では飼えないし、飼える状況でもありません。
梅雨の晴れ間の暑い日でした。末吉は、どんなにか心細いことでしょう。
居ても立ってもいられず、プラ容器に水を入れ、せめてもの差し入れをしました。
他人様の地下駐車場ですから、入り口付近にそっと置いてきました。
「末吉、気付いてくれ! せめて、水でも飲んでくれ」……祈るような思いでした。

その日の夕方、ベランダからのぞいたら、なんとも意外なものを発見したのです。



発見した意外なもの……それは!

脚立!!!!

そうです。隣家との塀の角にちょこんと置かれた、三段の脚立だったのです。
「ああ、誰か、わたしの他に末吉をなんとかしようとしている人がいるんだ!」
うれしかったですよ。涙が出るくらいうれしかったですよ。
「末吉! あの脚立の意味が分かるか? お前のためだぞ!」
小さな末吉でも、脚立を一段ずつ登れれば、隣家へなんとか行けそうです。

ちょうどそこへ、駐車場の奥から母猫が出てきました。そして、離れまいとして這い出てくる末吉。
いよいよ、末吉は家族のもとへ戻れるか? 身を乗り出して見守りました。
母猫は、いつものようにピョンピョンと塀の上へ飛び上がります。末吉は、それを追って、脚立の下まで走り寄ります。そして、ついに脚立に前足をかけたのです!
「行け! 二段目に登るんだ! がんばれ! 末吉! 脚立を登れ!」無言で力が入るわたし。

でも、でも、末吉には脚立の意味が分からないようです。何度も一段目に前足をかけるのですが、二段目に飛び乗ることができないのです。もうちょっとなのに!
「末吉、いつものやんちゃぶりはどうした? 恐くないよ、行け、登るんだ! 脚立を登れ!」

ダメでした……。
結局、末吉は脚立の周りをグルグルと回りながら、母猫を呼んで弱々しく鳴くだけです。
母猫も、虎ニイと焦ネエのところへ行ってしまいました。
「ああ、脚立でもダメだったか……」
がっくりして振り返ると、おなじように身を乗り出す人の姿が!
え? なんと、同じ階のベランダから、脚立一部始終を見守っていた男性が居たのです。
うわぁ! びっくりして、なぜか隠れるわたし。いたずらを見つかった子どものような気分でした。
ちょっとしてから、末吉が気になってベランダからのぞくと、あの男性が駐車場にいました。
車の下を覗き、末吉を探しているようです。末吉は見つからないようです。
そして、首を振りながら、諦めた様子で脚立を片付けていきました。
そうです。彼が、Mr.脚立だったのです!
きっと、彼も昨日から末吉の窮地を知って、気にしていたのでしょう。

しばらくして、買い物に出ようとマンションの階段を降りたら、ちょうどMr.脚立と出くわしてしまいました。互いに、無言で挨拶しただけ。でもきっと彼もわたしと同じことを思っていたでしょう。
「脚立作戦、失敗!」

その夜、末吉は、独りぽっちの二日目を迎えました。
どうしたらいいのでしょう?
(しつこく、つづく)

※まさか、読者数の超少ないこの『ブログ界の隅っこで、しあわせをつぶやく』ブログをMr.脚立がご存じとは思えませんが、もし!もし!読んでいたら……見なかったことにしてください。
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by sally_brown | 2005-07-09 17:18 | いのち | Comments(0)

a warm puppy, knowing who you are, being glad you're you.


by sally_brown(さり)