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続×4:流浪の行く末(最終章)

初めての方は、流浪の行く末 〜 続:流浪の行く末 〜 続々:流浪の行く末 〜 続×3:流浪の行く末からお読みください。


地下駐車場に独りぼっちで二日目の夜を迎えた末吉。
なんとかできないものかと、考えを巡らせるわたし。
「脚立がダメなら、なんかスロープならどうだろう?」→滑り台を逆走する末吉を想像。
「あの塀に渡せるほどの長い板が必要だ」→だいたい3メートルくらいないとダメだな。
「あの本棚を解体しようか?」→ジッと本棚を見つめる。ビビる本棚。
「ダメじゃん、長さが足りない……」→ホッとする本棚。
「近くの工事現場から、足場を借りてこようか!」→どうやって説明するんじゃい!
その夜は、末吉救出第2作戦で頭がいっぱいになりながら就寝しました。

翌朝、ベランダから乗り出して末吉の姿を探しました。いません。どこへ行った末吉!
お隣の庭では、焦ネエが走り回っています。それに、虎ニイと虎ニイが……え!?
虎ニイがふたり!! いや、あれは末吉だぁ! 末吉ぃ〜〜〜、そっちに行けたんだね!
母猫は、夜の間になんとかして、末吉をみんなのところに連れ戻していたのです!
どうやったのでしょうか? 首をくわえて連れ戻すには末吉はもう大きすぎます。
ぐるっと遠回りをしながら、末吉を導いたのでしょうか?
とにもかくにも、末吉はようやくかあさんと焦ネエと虎ニイと一緒になれたのです。
お隣の庭で、走り回る末吉。ああ、よかった。末吉! よく頑張ったね。

その日の夕方、母猫のお乳を並んで飲んでいる焦ネエと虎ニイと末吉の姿がありました。
満腹になって、母猫と一緒にまあるくなって眠る一家の姿がありました。
それは、なんともしあわせであたたかな風景でした。

しあわせは、家族まるまった末吉一家の夢。



ここで、終わりと思ったら……

終わんなかったのです。
この「流浪の行く末」を書きはじめたのは、このしあわせな末吉一家の姿を見届けたからでした。
流浪の果てに、ようやくしあわせへとたどり着いたと思ったからでした。
でも、末吉のしあわせは、このわずかなひとときだけだったのです。
わたしが、チンタラこれを書いている間に、末吉ふたたび失踪……。おいおい。

しあわせだった日の翌朝、お隣の庭ではしゃぐ仔猫たちを微笑ましく眺めていたのですがなんか変。
んんん??? 焦ネエはいます。で、茶虎がふたり一緒に現れないのです。
焦ネエとじゃれあっているのは、虎ニイです。いや? 末吉か?

虎ニイか、末吉か? 小雨の日に母を呼んで鳴き叫んでいたときから見守ってきたわたしですよ。
虎ニイと末吉の見分けくらい…………できません!(きっぱり)

虎ニイと末吉が一緒にいるのを見たのは、たったの2回だけ。
最初は、末吉だけ濡れそぼってか細くなっていました。
昨日は、三匹並んでお乳を飲んでいました。たったそれだけなのです。
ぷっくりした虎ニイに比べて、末吉の方が細くて小さいのですが、あとはそっくり同じ茶虎です。
中途半端なしっぽの短さも同じなんです。
並んでいれば見分けられますが、別々になっては、どっちだかわかりません。
でも、あれは虎ニイです!(ふたたびきっぱり!根拠のない自信!)
はしゃぎかたのおっとり具合が、虎ニイっぽいんです。

ああ、末吉ったら……。またしてもどこかへ行ってしまいました。

あれから、もう幾日も経ちます。
ずっと探していました。いつかまた末吉が合流しないかと、ずっと見守ってきました。
でも、末吉は戻ってきません。

かあさんと焦ネエと虎ニイは、お隣の庭&その向こうのマンションの隙間に居所を定めたようです。
仲良く並んで、母さんのお乳をもらっています。満腹になって、のんびりと眠っています。
でも、そこに末吉の姿はありません。

流浪の転落仔猫:末吉。どこへ行ったのでしょう?
正直、心配です。でも、もうどうしようもないのです。
もしかして、ちゃっかりどこかのお家で可愛がられているかもしれません。
そうだ! そうに違いない! 末吉は、どこかでしあわせになっているに違いない!
あの苦難の日々を、耐え抜いた末吉です。しあわせにならずに、なんとしよう。

かあさんに甘える焦ネエと虎ニイを眺めながら、そっとつぶやいてみます。
「末吉、しあわせに暮らせよ。おまえにはおまえのしあわせがあるさ」

しあわせは、誰かのあたたかな膝の上でみる末吉の夢。
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by sally_brown | 2005-07-12 12:38 | いのち | Comments(0)