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カテゴリ:いのち( 19 )

わたしの戦争体験

もう16年くらい前、ある仕事で第2次世界大戦で散ったある一歩兵の足跡をたどったことがある。
彼が戦時下において書き残した手記を元に、その足跡をたどるのだ。

国会図書館から、当時の中国大陸の地図を借り、許可を貰ってコピーする。
中国奉天から始まるその手記は、旧字体で書かれた鉛筆の走り書きだった。
おそらく月明かりで書かれたであろうその文字は読みにくく、かすれよろめくものだったが、旧い中国地図の旧字体で書かれた地名をたどりつつ、彼の行軍を追った。
行軍は、時に休み、時に迷いしつつ、中国大陸を横断していた。

×月×日 ○○鎮(中国で「村」に相当する)に到着
×月×日 ○○へ出発

特別な感情も感想もなく、淡々と行軍の様子が綴られていた。
ある時点で、彼の軍は中国大陸から、南方戦線へと送られる。
折角行軍してきた大陸を、また引き戻り汽車にて奉天へ帰り、船にて戦火激しい南方へ向かう。

ここで、手記は終わっている。
そのほかの遺品と共に、どこかの地点から日本へ送り返されているのだ。
だからこそ、いまここにある。
仕事先ではご遺族からお借りして、手記をコピーさせていただいていた。

彼の最期がわからない。
わたしは、仕事先から依頼されて、今保存されている彼の所属部隊の名簿を調べることになった。
記憶が定かでないが、自衛隊のどこかの部署が保管していたと思う。

重い気持ちで、自衛隊当該部署へ向かい、書庫と思われる部屋で待つ。
担当者が、奥から白い手袋をして、うやうやしく名簿を持ってきた。

わら半紙よりも薄くもろく、今にも崩れそうな1冊の名簿。
わたしも、白い手袋をして、一礼してから一枚ずつ頁をめくる。
兵士ひとり一行だ。人ひとりが一行に収められているのだ。

何かの番号と、氏名、出身地、そして死因欄。
そっとそっと頁をめくる。
「××ニテ戦死」「××ニテ病死」……延々と続く彼らの死。

やがて、わたしがたどった彼の名前を見つけた。



「流失」



彼の最期は「流失」だった。彼の他にも「流失」が続々と続く。
「戦死」でもなく、「病死」でもなく、ましてや「行方不明」でもない。
わたしは、この目で、手書き手記を元に調べた彼の最期を見届けた。
これは仕事だ。泣くまいとしたが、涙がこぼれた。
もろい名簿を傷つけないよう、横を向きしばらく泣いた。


南方戦線は、どの島もジャングルのなかを補給も支援もなく、ただただ転戦に次ぐ転戦だ。
敗退とは決して言わない。方向を転じて進むのみなのだ。
南方特有のスコールは、時に鉄砲水となり、疲弊した兵士を押し流していく。
また、川を渡る体力も尽きた兵士も多かったと聞く。


彼は、南方の島で、流れ去ってしまっていた。
わたしが調べた結果は、仕事先でどのように扱われたのか、残念ながら判らなかった。


彼の足跡をたどる間、わたしは彼と共に生き、最期を見届けたとき、共に死んでしまったような、そんな気持ちになった。
なんとも言えない寂寞感、無力感。

戦いのない今の平和は、彼のような一歩兵の死の上にある。
しかし、残念ながら揺るぎない平和ではない。
誰かがなにか少し動くだけで、大きく動いてしまうような危うい平和だ。
だからこそ、注意深く、おのが心を見つめて、いつまでも平和でありたい。


しあわせは、戦のない世界。
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by sally_brown | 2009-08-15 18:38 | いのち | Comments(0)

賛美歌312番

カトリック幼稚園で叩き込まれた宗教観。
大人になって仏教や神道を知ってからもなかなか抜けるものではない。
この時期になると、毎年それを思い知る。
たった4歳で覚えたお祈りは、いまだにそらでお唱えできる。
お祭り騒ぎを否定はしないが、わたしは静かにこの日を祝う。

幼稚園で歌っていた「おうた」は残念ながら忘れてしまった。
わたしには、このひとつの賛美歌を覚えているだけでもいいと思っている。

教会の結婚式でよく歌われるので、ご存じの方も多いと思う。
キリスト生誕を祝う歌ではないが、この歌詞はわたしのこころの奥深くをゆさぶる。
特に3番の歌詞に「わたしはひとりではない」という救いを見いだし、
歌うたびに、思わず知らず涙を流す。

今日もこの賛美歌を歌い、静かにお祈りを捧げよう。

しあわせは、決してひとりではないということ。

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by sally_brown | 2007-12-25 22:45 | いのち | Comments(0)

がんばれ、アイビー

a0019386_15345033.jpg風の強い日、うっかりベランダに出しっぱなしにしてしまったアイビーの鉢。気が付いたら、折角伸びてきた枝がヘチョンと折れてしまっていました。可哀想なことをしました。
切って、水栽培(懐かしい響きだな)にしてみました。
まだ根っこは出てきませんが、一番先っちょの葉っぱが枯れたりもしていません。
なんとか育ってほしいです。
テーブルが少し明るくなりました。


しあわせは、緑のある暮らし。
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by sally_brown | 2007-04-20 15:35 | いのち | Comments(0)

ついウトウトしてました

ぽかぽかお陽さまに嬉しくなって、たっぷりお洗濯しました。お布団も盛大に日光浴。
ふっかふっかのほっかほっかになったお布団を取り込んでいたら……

ポチン……

かすかぁ〜〜になにかが落ちる音がしました。

??ん? んん???

よくよく足下を探して、見つけました! 足を縮めて固くまるまってるテントウムシ。
「死んじゃってるのかな?」と指で突いてみました。
ツンツン……動きません……ツンツン……ダメみたいです、踏んじゃったのかも。ごめんね。
ちょっとガッカリしながら手のひらにのせた瞬間、コロッとひっくり返って小さな足を伸ばしてモジョモジョと動き出しました。
「生きてた!!」
コイツ、ふっかふっかのお布団でお昼寝していたらしいです。うっかりさんのテントウムシ。

そぉ〜〜と葉っぱに戻してあげました。急いでカメラを持ってきて、急いで写真を撮りました。

a0019386_2311672.jpg

この直後に、パッと羽を広げて飛んでいきました。
「元気でね〜〜〜」

しあわせは、小さな訪問者。
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by sally_brown | 2007-03-28 23:02 | いのち | Comments(0)

美人でしょ?

a0019386_2282592.jpgともだちんちの猫ちゃん。
あまりに可愛い横顔なので、飼い主に無断で載せちゃお!!
はじめましてだったんだけど、しっぽを立てて足下にスリスリしてくれて、ちょっとうれしかったのです。アメリカンショートヘアーなんだけど、ものすっごくおっとりさん。走り回るどころか、ソファに座り込んで、ずっとウトウトしてました。


わたしが遊びにいっていた間、声を聞いたのは一度だけ。しかも、「にゃん」とか「にゃぁ〜」とかじゃなくて「あっ……」に近い可愛いささやき鳴きでした。

いいなぁ、わたしも猫を飼える環境に住みたい!! もうちょっと頑張って、いつかはそうなりたいと思います。

しあわせは、丸くなって眠る猫の横。
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by sally_brown | 2006-12-03 22:08 | いのち | Comments(0)

お行儀いい

a0019386_2253727.jpg
会社近くの小さな公園で出会った猫ちゃん。
カメラ片手に近付いても、ジーーーーーと見つめ返すだけ。
全然警戒してない。
指を鼻先に持っていったら、ちょっとだけクンクンしてくれた。
たぶん街猫だと思うけど、毛並みがきれい。
この公園に来る人に、かわるがわる可愛がられているのかも?

ちゃんと新聞紙の上に、前足を折り込んで、チョコナンと座ってた。
お行儀いい。
仕事の合間、しばし遊んでもらった。

しあわせは、しゃがんだ目線で猫との会話。
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by sally_brown | 2006-11-08 22:53 | いのち | Comments(0)

末吉ふたたび

ぽかぽか陽気GWのある日。
わたしは、部屋で呑気にカフェオレをいただきながら、読みかけの本を読んでいた。
開け放した窓から爽やかな初夏の風……とともになにやら悲鳴が聞こえてきた。
ギャオン、ギャオン、ムギュ〜、ウギュ〜
あの末吉を思い出し、嫌な予感が頭をよぎる。まさか、ふたたび??
あわててベランダに出て、悲鳴の元を探す。
どこ? どこで鳴いているの? なにが起きてるの?
これは絶対仔猫の危機だ!! だんだん激しくなる悲鳴を聞きながら、わたしは確信した。
見当たらない。どこだろう? 焦りで心臓がドキドキしてくる。
手すりから身を乗り出して、あちこち探す。どこ? どこにいるの?

視界の隅に黒い影が動いた。黒い影……まさか? まさか?
その時、死角となっていた民家の庇の下から、黒い影〜カラスがなにかを突きながら出てきた。
まさか? まさか? うそでしょ? 悲鳴はいっそう激しく聞こえた。
カラスがバタバタッと跳ねた時、黒い影の下にわたしは見つけた。ちいさなちいさな虎茶の仔猫。
まだ生後4週間くらいだろうか。やっと歩きはじめたくらいの大きさだ。
「いやぁ〜〜! やめてぇ〜〜!」わたしは思わず声をあげてしまった。
カラスは、30センチくらい離れて首を傾げ、じっと獲物を眺め、くちばしで突いたりしている。
「やめて、お願い。ねえ、お願いだからやめてぇ〜〜」
仔猫を見ると、まだ短い足を思いきりバタつかせて、抵抗している。悲鳴もさらに激しくなる。
そのちいさなくちを、真っ赤に精いっぱいに開き、黒い影に歯向かっている
見える限りでは、どこにも血の色は見えない。傷は追っていないようだ。
まだ間に合う? どうすればいい? なにができる? わたしは半分パニクってしまっている。
部屋に戻って、テーブルの上の最初に目に入ったものを掴んで、泣きながらベランダに出る。
「やめて、お願い」
再び仔猫を足に掴み、そのつちばしで突きはじめたカラスに、掴んだものを投げてみる。

パニクったわたしが投げたもの。それはキャンディだった。
オレンジ色のキャンディは、カラスには届かず、途中で力なく落ちてしまった。
離れたベランダで地団駄を踏み、「やめて、お願い」と泣きながら、キャンディを投げるわたし。
一個がカラスの近くに落ちた。カラスは羽ばたいて、ちょっと仔猫から離れた。
「早く! 逃げて! 頑張って逃げて! 今のうちだから!!」
泣きながら、仔猫に叫ぶ。
カラスは、民家の塀の上に飛び移って、まだじっと獲物を見下ろしている。
わたしは、キャンディをカラスに投げた。カラスは2軒先の屋根まで遠ざかった。
それでも、じっとこっちを見ている。
「早く! 頑張って隠れて! 逃げて!」
仔猫はなんとか起き上がろうとしている。コロンと腹這いになると、必死で這いはじめた。
もうちょっと、あと20センチでウッドデッキとラティスの隙間に隠れられる。
カラスの動きを横目で見ながら、キャンディを掴んだ手を振り上げながら、わたしは見守る。
もうちょっと、あと10センチ! 仔猫は転がるようにして這っている。
バサバサと羽ばたきの音をたてて、カラスが塀に飛び移ってきた。
キャンディを投げるわたし、飛び退いていくカラス。
仔猫はまだ這っている。
もうちょっと、あと5センチ! ようやく仔猫は、ウッドデッキの隙間から一段下の地面へ逃げた。
それでも、まだカラスは見ている。わたしもカラスを見張っている。
5分ほどの三竦み状態の末、カラスは一声悔し鳴きを残して去っていった。

仔猫が転がり落ちたウッドデッキの隙間は、草が茂って何も見えない。その茂った草も動かない。
無事なのか? 力尽きたのか? もう鳴き声もしない。
しばらく見ていたが、わたしも部屋に戻った。もうさっきの本を読み続ける気力はなかった。

すっかり冷めてしまったカフェオレを飲みながら、ぼんやりと思う。
カラスだってなにか食べなきゃいけないだろう。
わたしの知らないところでは殺されちゃった仔猫だっているだろう。
なにが正しくて、なにがいけないことなのだろうか?

わたしは、声を限りに泣き叫ぶ仔猫を、生きながらにしてカラスについばまれる仔猫を、見捨ててはおけなかった。知らぬフリをしたら、自分を許せなかっただろう。
なにが正しくて、なにがいけないことなのだろうか?

あれから、幾日も経つ。探しているけれど、未だにあの必死で這っていった茶虎には出会えない。
去年の末吉、お前はいまどうしているか? 今年のチビ末吉、お前はいまどうしているか?

しあわせは、命を全うすること。
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by sally_brown | 2006-05-08 23:51 | いのち | Comments(0)

すずめのお宿

冷たい雨が降っています。
こうしてひと雨ごとに春が近くなっていくのかぁ〜と、ボンヤリ窓の外を眺めたりします。
冷たい雨のなか、どこかへ飛んでいくすずめが、視界を横切っていきました。
すずめって、どこに巣があるのでしょうね? ちょっと不思議。

子供の頃、斜め向かいにある家の屋根にすずめの巣がありました。瓦屋根のてっぺん、ウネウネのくぼみ部分です。何羽かのすずめが出たり入ったりするのを、眺めるのが好きでした。
ときにはわたしの家の庭まで来てピョンピョンと跳ねるすずめ、脅かさないようにソッと飽きもせずに眺めていました。

あれ以来、すずめのお宿を知りません。東京のすずめはどこがお宿なのでしょう。
葛籠のおみやげは要らないから、ソッと覗いてみたい気がします。

しあわせは、どっかにあるすずめのお宿。
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by sally_brown | 2006-02-26 13:52 | いのち | Comments(0)
台風の日に、我が家のベランダに流れ(吹かれ?)ついた一枚の「金のなる木」の葉っぱ。
当初はこんな感じでした。

さて、今はちょびっと成長しております!

a0019386_12385210.jpgこの成長具合が「すくすく」なのか「じわじわ」なのか分かりませんが、葉っぱが増えたことは確かです。

自然がどんな過酷な状況を強いても、なんとか生きていこうとする生命力って、すばらしいですね。モノ言わぬ植物に教えられます。
がんばろうね! たにくちゃん!

しあわせは、生きていく力。
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by sally_brown | 2005-11-20 12:44 | いのち | Comments(0)
初めての方は、流浪の行く末 〜 続:流浪の行く末 〜 続々:流浪の行く末 〜 続×3:流浪の行く末からお読みください。


地下駐車場に独りぼっちで二日目の夜を迎えた末吉。
なんとかできないものかと、考えを巡らせるわたし。
「脚立がダメなら、なんかスロープならどうだろう?」→滑り台を逆走する末吉を想像。
「あの塀に渡せるほどの長い板が必要だ」→だいたい3メートルくらいないとダメだな。
「あの本棚を解体しようか?」→ジッと本棚を見つめる。ビビる本棚。
「ダメじゃん、長さが足りない……」→ホッとする本棚。
「近くの工事現場から、足場を借りてこようか!」→どうやって説明するんじゃい!
その夜は、末吉救出第2作戦で頭がいっぱいになりながら就寝しました。

翌朝、ベランダから乗り出して末吉の姿を探しました。いません。どこへ行った末吉!
お隣の庭では、焦ネエが走り回っています。それに、虎ニイと虎ニイが……え!?
虎ニイがふたり!! いや、あれは末吉だぁ! 末吉ぃ〜〜〜、そっちに行けたんだね!
母猫は、夜の間になんとかして、末吉をみんなのところに連れ戻していたのです!
どうやったのでしょうか? 首をくわえて連れ戻すには末吉はもう大きすぎます。
ぐるっと遠回りをしながら、末吉を導いたのでしょうか?
とにもかくにも、末吉はようやくかあさんと焦ネエと虎ニイと一緒になれたのです。
お隣の庭で、走り回る末吉。ああ、よかった。末吉! よく頑張ったね。

その日の夕方、母猫のお乳を並んで飲んでいる焦ネエと虎ニイと末吉の姿がありました。
満腹になって、母猫と一緒にまあるくなって眠る一家の姿がありました。
それは、なんともしあわせであたたかな風景でした。

しあわせは、家族まるまった末吉一家の夢。

ここで、終わりと思ったら……
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by sally_brown | 2005-07-12 12:38 | いのち | Comments(0)