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パタヤの顛末(その4)

※パタヤの顛末(その1)(その2)(その3)からお読みください※

帰国数日後、自宅電話が鳴った。
「○月○日帰国の“××旅行のタイ/パタヤ”に参加された、さりさんご本人ですか?」
「はい、そうです」……イヤな予感がする。
「こちらは、なんとか保健局(正確に名称を覚えていない)です。同じツアーに参加されていた○○さん=ママ=が、コレラに罹患していたことが判明しました」……ああ、やっぱり、不安的中だ。
「さりさんは、嘔吐や下痢の症状はありませんか?」と、なんとか保健局。
「いいえ、なんともないです」……だって、原因はパイナップルのトロピカルカクテルだもの。
「同じツアーの方すべてから“検体”をご提出いただくこととなります。容器を郵送します」
???検体???
「指示通り“検体”を取ってください。○月○日○時に係員がご自宅まで受け取りに参ります」
!!!検便か!!!
容器が郵送されてきた。指示通り“検体”採取。
そして、期日時間きっちりに係員が来て「さりさんご本人ですか? “検体”は?」と聞く。
「本人です!“検体”はこれです!」と係員に手渡そうとすると
「いえ。これに入れてください」と、45リットル級のやたらにでっかいポリ袋を広げた。
言われるままに“検体”をでっかいポリ袋に入れると、係員は出来る限り手を伸ばしてその口をしめ、つまむようにして体から離したまま、礼をして「ご連絡します」と言って帰って行った。

数日後、なんとか保健局から電話が入り、わたしは罹患していないと告げられた。
「○○さん=ママ=のお加減は如何なのでしょうか?」と尋ねると、
「回復に向かわれています」と教えてくれた。ああ、本当に良かった。
その後、みんなと写真と手紙を送りあった。タイのソムにも、その後の事情を書いて知らせ、写真も送った。ソムからは「サリ。コンドイツ、タイニクルカ?」というクリスマスカードが来た。

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もう、会うこともないだろうタイ/パタヤでのお友達。あの日々は大切な宝物だ。写真は、ソムが値切って買ってくれた「タイのユーミン」と言われるらしい歌手のカセットテープだ。確かにパタヤのディスコでもかかっていた。



しあわせは、ダーリン、ママ、Sちゃん、Yちゃん、ソムに出会えたこと。


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by sally_brown | 2004-12-22 00:00 | おともだち | Comments(0)

パタヤの顛末(その3)

※パタヤの顛末(その1)(その2)からお読みください※

機内では、既に連絡が入っていたらしく、ママとダーリンには別の座席が用意されていた。カーテンが締め切られ、様子が分からない。ときどきダーリンがわたしたちのところへ報告に来てくれるが、ママはどんどん弱っているらしい。ダーリンも疲れきっている。
「早く成田へ……」募る焦燥感を抱えた機内時間は長かった。
ようやく成田に到着すると、ここでも連絡が入っていたらしく「救急車を手配している。別途出口から向かうように」と指示される。ママは、もはや立つことすら出来ず車椅子に乗る。それを押すダーリン、荷物を担いで追いかけるわたしたち。
ところが、救急車へ着く前に、ママが「ダメ……」と訴える。慌ててトイレを探して駆け込み、まずは吐かせる。が、ママは力の入らない手で、ズボンのボタンを外そうとしている。まずい、シモに来たか? さすがに躊躇したわたしたちは、女子トイレの外でオロオロしているダーリンに叫ぶ。
「ダーリン! ママが大変! 誰もいないから早く来て!!」
駆け込んできたダーリンがママのズボンを降ろし、なんとかしようと抱きかかえている。わたしたちは、次々と濡らしたハンドペーパーをダーリンに手渡す。
どうやら、シモは間に合わなかったらしい。それでも、ダーリンは濡らしたハンドペーパーでママの顔と体を拭い、再びズボンをあげる。
そして、ダーリンはためらうことなく吐瀉物と汚物にまみれたママを「お姫さま抱き」にして、車椅子へと走った。小柄で細身で華奢、どちらかというと頼り無い感じのダーリンが……。わたしは、その後ろ姿をある種の感動を持って見た。
ハッと我にかえり、あわてて追いかけ、ダーリンとママの荷物を救急車に乗り込むダーリンに手渡す。別れの言葉もそこそこにダーリンとママを乗せた救急車は、病院へと向かって行った。
わたしたちは、遠ざかる赤い光を声もなく見送った。
力なくさっきのトイレへ戻り、散らかしたハンドペーパーを捨て、無言で何度も手を洗い、互いに写真を送りあう約束をして、心配と不安を抱えたまま帰宅した。
……つづく
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by sally_brown | 2004-12-21 00:00 | おともだち

パタヤの顛末(その2)

パタヤの顛末(その1)からお読みください※

さて、楽しいパタヤ滞在も終わり……。パタヤからバンコクまで、猛スピードで走るマイクロバスに揺られる。みな、疲れが出て居眠りしているが、ふと気づくと最後尾席のママの様子がおかしい。脂汗をにじませ、口を押さえ、真っ青な顔をしている。ダーリンは隣で口を開け眠っている。
「ママ? どうしたの?」という問いかけにも、何も言えず弱々しく首を振るだけ。
これはただ事ではない。非常事態をソムに知らせ、車を止めてもらう。よろめきながら車外に出たママは、即座にしゃがみ込み大量に吐いた。泣きながら、何度も何度も。
ソム、わたし、Sちゃん、Yちゃんは、顔を見合わせ凍り付いた……これは大変だ。
ママの異常事態に気づかず、いまだ車内で眠りこけているダーリンを叩き起こし問いつめる。
「ママがおかしい。何を食べた?」
しかし、ダーリンは「ずっとみんなと同じだったし、昨日だって二人とも同じものをシェアして食べた。歯磨き後のうがいにも、ミネラルウォーターを使っていたし」と不安顔で首を傾げる。
とりあえず再び車に乗り込み、一路バンコクを目指す。途中、何度も緊急停車しては、ママは吐く。更に悪いことにシモにも来ているらしい。そんなときは、全員で上着を広げて後ろ向きで円陣を組んで、ママを隠した。
(タイのみなさん、本当にごめんなさい。旅の恥をかき捨ててきてしまいました)
そんななか、突然ダーリンが声を上げた。
「あ!! 昨日夜にプールサイドバーで違うものを頼んだ。僕はビールだった。彼女はすっかりはしゃいで、パイナップルが容器になった花飾りのあるトロピカルカクテルを頼んだ……」
それだ! そのカクテルの氷だ!
全員が暗胆たる思いで、みるみる弱っていくママを見守る。
なんということか……プールサイドバーでのひとときは、この旅でママにとって最もロマンティックで素敵で思い出に残る時間だったはずなのに。

そうして予定外の時間を取ったので、そうでなくても飛ばし屋ばかりのタイの道路を、猛スピードで飛ばしに飛ばしてバンコク空港へ到着。搭乗時刻ギリギリだった。
もう一人では歩けないほど弱ったママを抱えて搭乗手続きをするダーリン。彼らの荷物を替わりに担ぎ、バタバタとそれに続くわたしたち。
振り返ると、遠くでゲートの柵を握りしめ、心配のあまり泣きそうな顔のソムがいた。
嗚呼、ソムともお別れだ。
彼がつきっきりで面倒を見てくれたので「サワディー・カー(オールマイティな挨拶語)」と「コップン・カー(ありがとう)」のふたつのタイ語だけで、楽しく過ごせたのだ。
わたしは、前夜に彼のお陰で使わずじまいになったガイドブックを引っくり返して覚えた、みっつめのタイ語を叫んだ。

「ソム! ラーコン・カー!」  さようなら!

その一瞬、ソムはパッと明るく笑ってくれた。そして、すぐにもっと泣きそうな顔をした。
たぶん、本当に泣いていたと思う。「ソム、コップン・カー」わたしも、泣きそうになりながら小さくつぶやいて、振り返る勇気もなく搭乗した。
……つづく
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by sally_brown | 2004-12-20 00:00 | おともだち

パタヤの顛末(その1)

ずっと以前勤めていた広告代理店は、課ごとに交代して夏休みを調整していた。その年、特別な計画もなかったわたしは9月下旬にとりあえず夏休み申請した。
が、夏休みまであと1週間ちょっとと迫ったある日、社用の外出でふと通りがかった旅行代理店の店頭パンフレットを見て、突如「海外旅行」を思い立ち、いきなり入店。
「今から間に合うツアーありますか? ひとりなんですけど」
窓口のお姉さんは半分目が点になりつつ
「ど、ど、どのあたりがよろしいですか? しかし、おひとり様だと決まっているツアーに便乗する形になりますから、限られますが……」と困り顔。
「あんまり飛行機に長く乗らない近所がイイです」
近所って……、困惑しながらお姉さんはコンピュータをピコピコ。
「あ、これなら大丈夫じゃないでしょうか? タイのパタヤですけど」
「タイ?パタヤ?」……タイにもパタヤについてもまるで事前知識のないまま、
「じゃ、それで」と即決。
「ご一緒のお客様も、駆け込みでお決めになられた新婚様ですので、おそらくキャンセルはないと思いますよ」とお姉さん。
わたしは、見ず知らずの新婚さんが破局しないことを祈った。

幸い、破局はなかった。無事バンコクに到着し、ツアー現地ガイドを探す。
すると、そこに集まっていたのは「例の新婚カップル」「若い女の子二人組」「わたし」のなんと5人、全員が駆け込み申し込み。ソムという名の現地ガイドも「フダンハ、フタリグミバカリネ。コンカイハ、スゴイオオニンズウネ」とびっくり。
「新婚カップル」はアツアツかと思いきや、同棲6年の末に入籍した記念旅行というお友達的夫婦。女の子たちは季節ごとに海外へ行くというフレンドリーなふたり。それに女ひとり参加で最も年長者の私。すっかり意気投合した5人は、ダーリン、ママ、Sちゃん、Yちゃん、オネエサン(これはわたし)と呼び合い、コー・ラン行きやパタヤ特有の豪華オカマショーなどオプショナルツアーも全員で参加し、ほぼ団体行動となった。
現地ガイドのソムもすっかり仲間だ。本来は業務外であるはずの自由時間に「ニホンジンデモダイジョブナミセ、アンナイスルネ」といって屋台巡りなどに付き合ってくれた。

さすがに最終日だけは、それぞれ自由行動。
ダーリンとママは、恋人当初のようなアツアツぶりを発揮して、どこかへ出掛けて行った。
SちゃんとYちゃんは、勇み立ってショッピングに向かった。
わたしは、持参した文庫本を手にプールサイドでぼんやりしていた。
そこへ、ソムがやってきて「シュリンプノ、オイシイミセアルヨ。イッショニランチドウカ?」
彼は、気遣ってくれているのだ。もちろん一緒にでっかい海老を食べ、いろんな話をし楽しく時間を過ごした。買い物にも付き合ってくれた。写真を送って欲しいと、バンコクの住所も教えてくれた。

……つづく
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by sally_brown | 2004-12-19 00:00 | おともだち | Comments(0)

届く光、叶う思い

ニット帽を被り、マフラーをして、靴下を2枚履いて、一番厚手の上着を着込んで、ひざかけを腰に巻く。そんなものすごい不審者スタイルで、ベランダに出た。
もちろん「双子座流星群」を見るため! 幸い我が家は見晴しがよい。
東京では、日暮れ直後は雲が多かったので、夜遅くなってからの『流れ星探し』となった。
天気予報などでは「空全体を見ましょう」などと言っていたが、空の下側は街の灯りで妙に明るいので、やっぱり上を見上げてしまう。わたしが判別できる数少ない星座=オリオン座あたりをぼんやりと眺める。そして、考える。

「この星々の光は、何万光年も前の光なんだ。この光は、長い長い時を超えて、いまわたしの目に届いているんだ。宇宙は広い、ひとは小さいなぁ」

そんなとりとめの無いことを考えている時、ツゥーとオリオン座を横切る流れ星。斜めに美しく軌跡を残して、燃えつきて消えていった。
オリオン座……ギリシャ神話に登場する美男子の巨人オリオンが星になったとされている。一説では女神アルテミスの怒りに触れて、殺されたともいう。
そんなオリオンを、美しい流れ星が横切っていった。
それは、オリオンへの慰霊か。それとも、死んで星となっても、尚つきささる罰の槍なのか?

流れ星が消えるまでに願い事をするより、そんなことを考えていた。
きっと同じ夜空をたくさんの人が見上げては、様々なことを願っただろう。
その人たちの願いが、切ない思いが叶うことを願おう。

しあわせは、どんなに時を経ても叶う思いがあると信じられること。
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by sally_brown | 2004-12-14 10:39 | はるなつあきふゆ

天国

a0019386_10371582.jpg12月……街中はいまだ馴染まない「ハロウィン」を過ぎ、クリスマスムード一色だ。
アメリカでは大統領が点灯式。日本各地でも、競うように巨大クリスマスツリーが出没している。それもいいだろう。祝い事でキレイで楽しいならば……。
しかし、忘れてはイケナイと思うことがある。クリスマスは広義でいうキリスト教の行事なのだ。カトリック幼稚園を卒園したので「神様」で真っ先に思い付くのは、イエス・キリストであり、父なる神だ。幼稚園では「クリスマス会」で、荒野の羊飼いたちに、ベツレヘムでの救世主誕生を知らせる天使の役だった。長く白い衣装を着て、大きな羽根を背負い、頭の上には天使の輪っかが浮かんでいた。「羊飼いたちよ。恐れることはありません。……」という台詞だった。
その後、さまざまな宗教や民族伝承などを読みあさって思うのは、どう呼称してもよいが「人智を超えたなにものかがあり、人は小さい者である」ということだ。畏怖と感謝の気持ちを忘れてはイケナイ。人間は、決して地球上に生息する生物の頂点ではない。
幼い命が奪われる事件が多発するいま、子供たちは「○○ちゃん、天国で楽しく遊んでくださいね」などと、痛々しくもちいさな手を合わせる。そんな映像を見る度に思う。この子たちは「天国」をどう理解しているのだろうか? 天国があるということは、地獄もあるのだ。
仏教的には、この世こそ「地獄」であるのかもしれない。
折角授かった命を、大切に愛おしみながら生きていきたいと思う。
写真は、ニューヨークのセント・パトリック教会で購入した「フィンガー ロザリオ」……この教会は、カトリック総本山(?)と聞く。教会内は、静寂で荘厳で温かかった。

しあわせは、だれもが「しあわせだ」と感じられること。
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by sally_brown | 2004-12-07 10:37 | いのち

ちいさい秋見つけた

a0019386_10162713.jpga0019386_10165285.jpg秋空高く晴れた日に、散歩に出掛けた。
公園の木々は、常緑のモノに混ざって、少しずつ色付いている。
その木々の隙間から、真っ赤な木を発見した。

東京のど真ん中で、見事に紅葉している。
枝から葉っぱを摘むのも可哀想なくらいだったので、落ちた葉を撮影した。心なしか、すこし色あせて見える。
新緑の季節に、痛々しいほどの薄緑に萌え、やがて輝くような濃い緑の葉を茂らせる。
そして、秋に紅く染まって、そしてはらはらと落ちていく。
一年を大切に生きてきた葉っぱ……見習おう。
自然には、教えられることが多い。
紅く染まった落ち葉は、撮影した次の瞬間、秋風がどこかへさらっていった。

しあわせは、葉っぱとさえも一期一会であること。
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by sally_brown | 2004-12-01 10:14 | はるなつあきふゆ | Comments(0)

a warm puppy, knowing who you are, being glad you're you.


by sally_brown(さり)