事故
りました られました。ワタシハ、ヒガイシャデス。
それは、一瞬の出来事。
信号を確認したあと……………………目前に広がる黒&白が横断歩道のダンダラ模様だと気が付くまで、記憶がぶっ飛んでいます。
黒&白模様をボーと眺めるわたしの頭上で交わされる「すみません、大丈夫ですか?」「いやだぁ、だから危ないって……。あの、ごめんなさい。大丈夫ですか?」という若い男女の声。
あ? え? わたし、コケてる? 視界の端に、人の足が見えます。
見上げると、制服姿の高校生カップルが見下ろしています。
クラクラしながら、立ち上がりました。大きな交差点のど真ん中でした。
イマドキスタイルの高校生カップルは、心配そうに「ごめんなさい」「すみません」「大丈夫ですか?」を繰り返しています。スレていない素直な表情です。
見れば、男の子の傍らに自転車。どうやら、突っ走ってきた自転車にはね飛ばされたみたいです。
ようやく事態を把握して「ええ、大丈夫みたい」と答えると、ふたりは「本当にごめんなさい」と揃って深々頭を下げました。
「ね? 信号は赤だったでしょ?」と男の子に聞くと、素直に「はい」とうつむきました。
同じようにうつむく女の子に「あなた、自転車の後ろに乗ってたの? 怪我はなかった?」と聞くと、泣きそうな顔で「はい。でも、大丈夫です。本当にごめんなさい」と繰り返しました。
ピコピコし始めた信号を目にし、ふたりに「気をつけようね」と言って、立ち去りました。
手のひらのちょっとした傷をなめなめ、我ながらリハ重ねた舞台女優のような
あぁぁれぇとばかりの、見事なコケっぷりだったなと悦に入っていた帰り道。
膝・腰・肘・肩と、
右半身凸部に青痣を発見して、実は結構激しくコケたのね……と思い返したのは帰宅して着替えたとき。
こうして書いている今も、右半身が痛いです。湿布貼ってます。
ああ、チャリでよかった、単車相手だったら……と、今になって恐怖が襲ってきました。
ちょっとのことが、大事になりかねません。気をつけなくちゃ。
しあわせは、交通安全、無事故なわたし。