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ひんやり香る

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秋の気配のひんやり空気。
甘い香り、くんくんくん。
今年も見つけた、ちいさな秋。

しあわせは、香りと繋がる懐かしい思い出。
# by sally_brown | 2009-10-18 20:46 | はるなつあきふゆ

わたしの戦争体験

もう16年くらい前、ある仕事で第2次世界大戦で散ったある一歩兵の足跡をたどったことがある。
彼が戦時下において書き残した手記を元に、その足跡をたどるのだ。

国会図書館から、当時の中国大陸の地図を借り、許可を貰ってコピーする。
中国奉天から始まるその手記は、旧字体で書かれた鉛筆の走り書きだった。
おそらく月明かりで書かれたであろうその文字は読みにくく、かすれよろめくものだったが、旧い中国地図の旧字体で書かれた地名をたどりつつ、彼の行軍を追った。
行軍は、時に休み、時に迷いしつつ、中国大陸を横断していた。

×月×日 ○○鎮(中国で「村」に相当する)に到着
×月×日 ○○へ出発

特別な感情も感想もなく、淡々と行軍の様子が綴られていた。
ある時点で、彼の軍は中国大陸から、南方戦線へと送られる。
折角行軍してきた大陸を、また引き戻り汽車にて奉天へ帰り、船にて戦火激しい南方へ向かう。

ここで、手記は終わっている。
そのほかの遺品と共に、どこかの地点から日本へ送り返されているのだ。
だからこそ、いまここにある。
仕事先ではご遺族からお借りして、手記をコピーさせていただいていた。

彼の最期がわからない。
わたしは、仕事先から依頼されて、今保存されている彼の所属部隊の名簿を調べることになった。
記憶が定かでないが、自衛隊のどこかの部署が保管していたと思う。

重い気持ちで、自衛隊当該部署へ向かい、書庫と思われる部屋で待つ。
担当者が、奥から白い手袋をして、うやうやしく名簿を持ってきた。

わら半紙よりも薄くもろく、今にも崩れそうな1冊の名簿。
わたしも、白い手袋をして、一礼してから一枚ずつ頁をめくる。
兵士ひとり一行だ。人ひとりが一行に収められているのだ。

何かの番号と、氏名、出身地、そして死因欄。
そっとそっと頁をめくる。
「××ニテ戦死」「××ニテ病死」……延々と続く彼らの死。

やがて、わたしがたどった彼の名前を見つけた。



「流失」



彼の最期は「流失」だった。彼の他にも「流失」が続々と続く。
「戦死」でもなく、「病死」でもなく、ましてや「行方不明」でもない。
わたしは、この目で、手書き手記を元に調べた彼の最期を見届けた。
これは仕事だ。泣くまいとしたが、涙がこぼれた。
もろい名簿を傷つけないよう、横を向きしばらく泣いた。


南方戦線は、どの島もジャングルのなかを補給も支援もなく、ただただ転戦に次ぐ転戦だ。
敗退とは決して言わない。方向を転じて進むのみなのだ。
南方特有のスコールは、時に鉄砲水となり、疲弊した兵士を押し流していく。
また、川を渡る体力も尽きた兵士も多かったと聞く。


彼は、南方の島で、流れ去ってしまっていた。
わたしが調べた結果は、仕事先でどのように扱われたのか、残念ながら判らなかった。


彼の足跡をたどる間、わたしは彼と共に生き、最期を見届けたとき、共に死んでしまったような、そんな気持ちになった。
なんとも言えない寂寞感、無力感。

戦いのない今の平和は、彼のような一歩兵の死の上にある。
しかし、残念ながら揺るぎない平和ではない。
誰かがなにか少し動くだけで、大きく動いてしまうような危うい平和だ。
だからこそ、注意深く、おのが心を見つめて、いつまでも平和でありたい。


しあわせは、戦のない世界。
# by sally_brown | 2009-08-15 18:38 | いのち
第三舞台の演出家・鴻上尚史さんが、公演のたびに書いていた「ごあいさつ」をまとめた本です。
「ごあいさつ」は、大学ノートに手書きで書かれていて、それをコピーして客席に一枚ずつ置かれていました。



平成16年(2004年)に出版されてたこの本を知ったのは、うかつにも今年の春先でした。
あわてて、ネットで購入しました。その時点では残り2冊でした。
わたしには、どうしてももう一度読みたい「ごあいさつ」があったのです。


第30回公演『朝日のような夕日をつれて '97』の「ごあいさつ」です。


6年ぶりとなるこの公演。
6年前の第24回公演「朝日のような夕日をつれて '91」も観ていましたが、やはりスーツ姿で並び、オレンジ色をバックに高々と拳を振り上げる彼らは、背中からゾワゾワっとするほど美しかったことを覚えています。

その日は開演ギリギリで滑り込んだため、いつものように座席に置かれている「ごあいさつ」は、自宅に帰ってから読みました。
何故か判らない涙が流れました。何か判らない勇気を貰いました。
それ以来、この大学ノートに手書きで書かれたコピーの「ごあいさつ」をずっと大切に持ち続けていました。
大切にしまい込んでいるだけで、滅多に読みませんでした。
凹んだときや悲しいとき、そんなときにだけ読み返しては、何故か判らない涙を流し、何か判らない勇気を貰いました。







とても悲しく落ち込んでいたある時期、
大切にしまい込んでいた「ごあいさつ」を見つけて読み、
やはり、何故か判らない涙を流しました。
しかし、何か判らない勇気は見いだせませんでした。









わたしは、大切にしていた「ごあいさつ」の紙を捨ててしまいました。










時が経ち、わたしは「ごあいさつ」を捨てたことを激しく後悔しました。
あの日わたしは、自分がなくしたものしか見えていませんでした。
実は手に入れていたものを見失っていたのです。
もう二度とあの「ごあいさつ」で、何故か判らない涙を流し、何か判らない勇気を貰えなくなりました。





この本を手に入れて、真っ先にこの第30回公演『朝日のような夕日をつれて '97』の「ごあいさつ」を読みました。
やはり、何故か判らない涙を流しました。
そして、今度はちゃんと何か判らない勇気を見出せたのです。







鴻上尚史さんの書くころころっとしたかわいらしい手書きではなく、活字になっていることだけが残念です。
あれってちゃんと清書していたのか……この本を読んで初めて知りました。






鴻上さんの文章はどれも、笑わせてくれるようで、絶対泣かせます。
なんか、ずるいような気がします。
やっぱり彼は役者じゃなくて演出家になってよかったんだと、本人に同感しちゃいます。







よろしければ、読んでみてください。
気に入っていただけると、さりも嬉しいです。
ライフログに入れました。サイドバーの下です。

んじゃ





しあわせは、「じゃあ行こうか」「ああ、行こう」と言い、それでも待つこと。

追悼:忌野清志郎さん
# by sally_brown | 2009-06-19 23:03 | ほんのきおく

ナルニア国

何年も前に全巻読破した大好きなファンタジーものだ。

教育的で宗教的な児童書なんだけど、結構壮大な冒険ファンタジー映画になってる!
あぁ、映画館で観たいなぁ。

わたしのお気に入りは、リーピチープ!

しあわせは、雪の森の街灯の謎。
# by sally_brown | 2008-05-18 21:23 | ケータイさり

さくら

さくら_a0019386_10302369.jpg

さくら、咲くとなんでこんなに嬉しいのかしら。
いつもと違う道で発見。
ついつい一枚、パシャ!

しあわせは、咲く花、散る花、惜しむ花。
# by sally_brown | 2008-03-26 10:30 | ケータイさり

a warm puppy, knowing who you are, being glad you're you.


by sally_brown(さり)